恐怖
出張中のある日、上司から呼び出しがあった。定時前に上がって出張先の最寄り駅まで行くので、2人で話したいとのことだった。何の話かと恐怖を感じた僕は、電話があった昼過ぎから、その話の内容が気になってまるで仕事に手がつかなかった。
夕方、再度上司から連絡が入り、結局その日は会えずじまいだった。話の内容が気になったので、内容のさわりだけ聞いてみたところ、特に気にする必要もない他愛のない話だった。
そのような話題なら、電話では話せない内容だとか、同じ場所の他メンバーに僕に会うことは告げてこないだとか、話すること自体を他の人に話すなとか言わないでほしい今日この頃。クビとか転勤とか駄目出しとか考えて、精神的に非常に疲労した時間を返してほしい。
続報
『もう呆れるしかないわ。常識じゃ考えられないよねぇ』
苦情の電話で返却の確認をした後、どれだけ待ってもネガフィルムが帰ってこないことに業を煮やした妻は、後日再度電話し『担当者ではなく責任者を』と迫った。責任者に再度確認をとってみると、妻の苦情は前回の電話の後、”既に対応済”の扱いになっていたそうで、急いで発送処理をする旨、前回以上の勢いで丁寧に謝罪されたのだそうだ。
そのまた一週間後、届いたフィルムに添付されていた書類を見て妻は驚愕した。添付の書類の日付は一年半前のままで、一年前のコンテストの告知が何の修正もされずに記載してあったのだそうだ。当然、謝罪の言葉など、どこにも見当たらなかった。
それを、『もう、何だか面白い』と言い、その書類を記念にとっておくという妻はつくづく優しい人だなぁと思う。