休養中

もう辞めてしまったFさんは風俗好きで有名だった。福岡出張などではトラブって深夜にホテルについてもそこから中洲へ出かけ、翌朝石鹸の香りを漂わせながら出張先へ出ていたほどらしい。

「そういうとこ、少し前から行かないようにしてるんや。」

そう言い出したFさんがあまりに寂しそうだったので理由を聞くと、
「病気したからなぁ。まぁ、金が貯まってええわ。ハハハ。」
と力なく笑っていた。

なるほど、体に完全に壊すところまではしないってことか。流石に慣れてるだけあって遊び方を知っているんだな。僕は風俗通いはしたことないけど、もし嵌ったとしてもこうありたいものだ。

「ところで病気って、何だったんですか?」 

「梅毒。」

感心して損した。