御礼を言いたい

『それ、多分本屋だと思いますよ。』

妻と娘が食料品を買っている間、息子を抱っこして同じ建屋内をウロウロしていたら、いつの間にか息子の靴下が脱げたらしく無くしてしまっていた。その事をレジを済ませた妻に告げていた時に、傍を通りかかった見知らぬおじさんにこう言われたのだった。

何の前触れもないあまりに唐突な助言に何も返答できずにいると、そのおじさんは自らが勘違いしたものと考えたらしく「あ、違いますね、ごめんなさい」と言ってその場を去っていってしまった。

頭の回転が遅かったために善意に反応できなかった自分が腹立たしい。